“キング・オブ・ミニバン”と評されるトヨタの高級ミニバン新型ヴェルファイア(Vellfire)が、2017年12月、初のビッグマイナーチェンジを行いました。
外装・エクステリアの変更や、最上位モデル”エグゼクティブラウンジ”にエアロモデルを用意するなど、様々な変更があった今回のビッグマイナーチェンジですが、安全装備の充実も注目ポイントの一つです。
マイナーチェンジ前のモデルの大きな欠点・デメリットの一つが、安全装備の充実度でした。なんせ高級ミニバンにも関わらず、主な安全装備は、衝突軽減ブレーキ(自動ブレーキ)しか装備されていなかったんですから…。
しかし、今回のビッグマイナーチェンジで、この欠点・デメリットをしっかりと解消。
今回新発売された新型ヴェルファイア(VELLFIRE)では、”第2世代”と呼ばれる最新の”トヨタセーフティセンス”を初めて搭載し、トヨタ車の中でも一番といってもいいくらいの安全装備を備えるようになりました。
そんな新型ヴェルファイア(VELLFIRE)ですが、どのような安全装備システムが備わっているのでしょうか?また、マイナーチェン前のモデルと比較して、どれくらい安全装備が充実したのでしょうか?
2017年12月にデビューをしたこの新型モデルに搭載されている安全装備システムを、徹底的にレビューしてみたいと思います。
目次
マイチェンをした新型ヴェルファイアの安全装備を徹底チェック
2017年12月にビッグマイナーチェンジをして新発売された新型ヴェルファイア(VELLFIRE)は、先ほども申し上げた通り、”第2世代”と呼ばれる最新の安全装備”トヨタセーフティセンス”が搭載されています。
また、それ以外にもトヨタ初となる様々な安全装備を用意。
実際に今回新発売された新型モデルとマイナーチェンジ前のモデルを比較すると、こんなに安全装備の充実度が異なります。
■新型ヴェルファイアの主な安全装備
・第2世代トヨタセーフティセンス(ミリ波レーダー&単眼カメラ方式)
衝突回避ブレーキ(自動ブレーキ)
レーントレーシングアシスト(LTA)
レーダークルーズコントロール(全車速追従式)
ロードサインアシスト
アダプティブハイビームシステム
オートマチックハイビーム
・先行車発進告知機能
・ブライドスポットモニター
・リヤクロストラフィックアラート
・インテリジェントクリアランスソナー
・クリアランスソナー&バックソナー
・ドライブスタートコントロール
・デジタルインナーミラー
■マイナーチェンジ前の主な安全装備
・プリクラッシュセーフティシステム(ミリ波レーダー方式)
・レーダークルーズコントロール
・車両接近通報システム
このように見比べると、今回ビッグマイナーチェンジをして新発売された新型ヴェルファイア(VELLFIRE)と、マイナーチェン前のモデルでは、安全装備の充実度の違いが一目瞭然ですよね。
また、今回新発売された新型モデルでは、レーントレーシングアシスト(LTA)や、自動車だけではなく、歩行者や自転車も検知する事ができるようになった自動ブレーキなど、トヨタ初となる安全装備を装着。
現在のところ、トヨタ車の中で最も安全装備が充実しているクルマと言っても過言では無いように感じました。
そんな新型ヴェルファイア(VELLFIRE)に搭載されている安全装備は、どのような機能を備えているのでしょうか?
この新型モデルに備わった注目の安全装備システムについて、詳しく見ていく事にしましょう。
プリクラッシュセーフティサポート(自動ブレーキ)
先代モデルでも搭載されていた”プリクラッシュセーフティサポート”ですが、今回新発売された新型モデルでは、ミリ波レーダーだけではなく、単眼カメラを用いた事で精度が格段にアップしています。
その大きな進化の一つが、対象範囲です。
ミリ波レーダーのみを採用していた先代モデルは、車両しか認識できませんでしたが、単眼カメラを用いた事で、今回新発売された新型モデルでは、車両だけではなく、歩行者や自転車に乗っている人も検知できるようになりました。
自転車や歩行者の急な飛び出しにも、対応してくれるのは嬉しいですよね。
ホンダの新型オデッセイなど競合車・ライバル車と比較しても、引けを取らない安全装備システムを備えているのは、とても良いと思いました。
ちなみに、対応範囲など格段に進化をした新型ヴェルファイアの自動ブレーキについては、コチラの記事に詳しくまとめてあります。もし自動ブレーキの詳細が気になる方は、コチラの記事を参考にしてみてください。
>>> 進化のポイントとは?新型ヴェルファイアの自動ブレーキの良さを徹底解説
レーントレーシングアシスト(LTA)
今回ビッグマイナーチェンジをして新発売された新型ヴェルファイア(VELLFIRE)の注目の安全装備の一つが、トヨタ車で初となる新機能”レーントレーシングアシスト(LTA)です。
このレーントレーシングアシスト(LTA)とは、白線から逸脱する可能性がある場合、マルチインフォメーションディスプレイの画面や音で注意を喚起し、また、車線から逸脱を避けるためにステアリング操作をサポートする機能です。
また、クルーズコントロール(クルコン)で走行中は、白線の中央を維持するように、ハンドル・ステアリングホイールの操作をサポートしてくれます。
新型ヴェルファイア(VELLFIRE)のクルーズコントロールを試した際に、白線の中央を維持してくれる機能を確かめる事ができたのですが、まるで人間が操作しているようなスムーズさがあり、乗り心地が良いのも好印象でした。
アダプティブハイビームシステム&オートマチックハイブーム
このアダプティブハイビームシステムとは、先行車や対向車などを検知して、LEDヘッドライトの範囲や光が当たる部分を細やかに制御する機能の事です。
先行車や対向車のドライバーに眩惑(げんわく)や不快感を与える事なくハイビームを保持する事ができるので、夜間ドライブの視界性をサポートしてくれます。
また、オートマチックハイビーム機能とは、対向車や歩行者を検知して、自動的にハイビームとロービームを切り替えてくれる機能の事です。
ハイビームとロービムの切り替え忘れを防ぐとともに、切れ替えの面倒さからも解放してくれるので、地味な機能ですが、搭載されていると意外と嬉しい機能なのかなと思いました。
ロードサインアシスト
今回トヨタ車で初めて搭載された新機能”ロードサインアシスト”とは、前方のカメラで検知をした道路標識を、マルチインフォメーションディスプレイに表示してくれる機能の事です。
マルチインフォメーションディスプレイに道路標識を表示してくれるのは見落としがなくてとても良いと思います。
ただ、道路標識をヘッドアップディスプレイ(HUD)などで、フロントガラスに投影してくれた方が視認性は良いのかなと思いました。
リヤクロストラフィックアラート
このリヤクロストラフィックアラートとは、バックをしている際、左右から接近してくる車両をレダーで検知して、お知らせをしてくれる機能です。
新型ヴェルファイア(VELLFIRE)は、ボディサイズが大きいため、斜め後方が確認しにくいのが欠点です。
しかし、このリヤクロストラフィックアラートは、左右から接近してくるクルマをお知らせしてくれるので、安心してバックで出庫する事が可能ですよ。
先行車発進告知機能
先行車発進告知機能とは、信号待ちなどで停車時、先行車が進んだのに気づかずに止まったままでいる時にブザーとマルチインフォメーションディスプレイでお知らせをしてくれる機能の事です。
安全装備の中でも、比較的、お世話になる機会が多い機能なのかなと思いました。
インテリジェントクリアランスソナー
インテリジェントクリアランスソナーとは、最近よく耳にする自動ブレーキアクセルやブレーキの踏み間違い事故を防ぐ機能の事です。
低速走行時に自車の前後の障害物を検知し、衝突する恐れのある場合には、エンジンの出力を抑制します。そして、さらに障害物との距離が縮まると自動ブレーキを作動して、障害物への衝突を防いでくれます。
個人的には、前方だけではなく、後方の障害物にも対応しているのが、好印象でした。
ブラインドスポットモニター(BSM)
ブラインドスポットモニターとは、高速道路などの車線変更時の後方確認をサポートしてくれる機能の事です。
新型ヴェルファイア(VELLFIRE)では、隣の車線を走るクルマをレーダーで検知をして、ドアミラーに設置したインジケーターを点灯して車両の接近をお知らせしてくれます。
■ドアミラーに設置されたインジケーター
また、インジケーターが点灯している状態で、ウィンカーを点灯して、車線変更動作に入ると、LEDインジケーターを点滅させて、注意を促してくれます。
高速道路での車線変更が苦手な人には、とても助かる機能なのかなと思いました。
デジタルインナーミラー
デジタルインナーミラーとは、バックカメラの映像をルームミラー部分に映し出す機能の事です。
新型ヴェルファイア(VELLFIRE)のようなミニバンでは、3列目シートに座っている人や荷室・ラゲッジスペースに積んである荷物で後方の視界が悪くなってしまうのが、欠点・デメリットの一つです。
しかし、デジタルインナーミラーを使用すれば、同乗者や荷物に邪魔される事無く、常にクリアな後方視界を確保する事ができますよ。
ちなみに、実際にデジタルインナーミラーを使ってみた感想、普通の鏡面ミラーとの見え方の違いは、コチラから。
>>> 新型ヴェルファイアの注目機能デジタルインナーミラーを使った感想
今回ビッグマイナーチェンジをして新発売された新型ヴェルファイア(VELLFIRE)では、トヨタセーフティセンスを初めこのような安全装備が備わっていました。
マイナーチェンジ前と比較して、かなり安全装備が充実しましたよね。
また、競合車・ライバル車と比較しても、勝るとも劣らない安全装備システムを備えているように感じました。
個人的に特に良いと思ったのは、車両だけではなく、歩行者や自転車も検知できるようになったプリクラッシュセーフティシステム(自動ブレーキ)です。
マイナーチェンジ前のモデルでは、安全装備の手薄さに満足できずに購入を控えるお客さんもいたようですが、これだけ安全装備が充実していれば、安心して、新型ヴェルファイア(VELLFIRE)を選べるのかなと思いました。