日産のハイブリッドシステム”e-POWER”を搭載しているクルマは、新型セレナ以外にも、ノートやオーラ、エクストレイルなど様々あります。
ただ、今回デビューをはたした新型セレナ(SERENA)は、他のグレードよりも一歩進んだ最新バージョンのe-POWERを搭載。
しかも、この新型モデルは、e-POWERのために開発された新開発エンジンを搭載。
そのおかげもあり、この新型モデルのe-POWERは、他の日産車よりもワンランク上の静寂性と乗り心地の良さが…。
また、乗り心地や静寂性が良くなるよう様々なe-POWERのシステムの制御にも工夫がほどこされていました。
今回デビューをはたした新型モデルのe-POWERは、どのようなエンジン&モーターを搭載しているのでしょうか?また、この新型モデルは、乗り心地が良くなるためにどのような工夫をほどこしていたのでしょうか?
新しく生まれ変わった新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)に搭載されている最新エンジンやe-POWERシステムの特徴や魅力、注目ポイントを余すところなく紹介したいと思います。
目次
新型セレナe-POWERのエンジン&モーター【特徴や魅力、注目ポイントをチェック】
2022年11月にフルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ(SERENA)に搭載されているe-POWERは、従来のハイブリッドシステムと違い、エンジンで発電した電力を使ってモーターで駆動する仕組みとなっています。
そんな新型モデルのe-POWERシステムの核をなすエンジンとモーターは、次のような特徴&魅力を備えていました。
e-POWERのために開発された新エンジンを搭載
2022年11月にフルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)は、次のようなスペックを備えたエンジンを搭載しています。
■セレナe-POWERのエンジン
今回デビューをはたした新型モデルのe-POWERは、フルモデルチェンジをする前の旧型モデルと同じ直噴3気筒エンジンを搭載しています。
ただ、型式名称”HR14DDe”の最後に”e”が付けられていることから分かるとおり、今回デビューをはたした新型モデルに搭載されているのは、e-POWERのために開発された専用エンジンとなっています。
■新型セレナに搭載のHR14DDe
そんな新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)に搭載されている新エンジンの特徴の一つは、排気量の大きさです。
今回デビューをはたした新型モデルのe-POWERに搭載されているエンジンの排気量は1433ccとなっており、フルモデルチェンジをする前の旧型モデルのエンジンよりも235cc拡大。
また、最高出力&トルクも、旧型モデルが62kW(84ps)だったのに対し、新型モデルに搭載されているエンジンは72kW(98ps)と高められています。
このように旧型モデルと比べてエンジンの性能が良くなったこともあり、この新型モデルのe-POWERは、旧型モデルよりもエンジンがかかる頻度が劇的に減り、電気自動車のような走りをより楽しむことができるようになったそうですよ。
駆動用のモーターの出力もアップ
今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)に搭載されている駆動用のモーターは、旧型モデルと同じモーターを採用しています。
ただ、エンジンの発電による電力の供給量が増えたこともあり、モーターの最大出力が120kwにアップ。(※旧型モデルは100kw)
■新型セレナe-POWERに搭載のモーター
また、今回デビューをはたした新型モデルのe-POWERの最大トルクは315Nmとなっており、1,800kgを超える重たいボディを動かしてもまだまだ余裕のあるパワー&加速力を備えていました。
新型セレナのe-POWERシステム【旧型より進化したところとは?】
新エンジンを搭載して静寂性&乗り心地も良くなった新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)ですが、発電をするタイミングを旧型モデルと変えるなど、e-POWERのシステムの制御自体も進化を遂げていました。
今回デビューをはたした新型モデルのe-POWERシステムは、どこが進化したのでしょうか?進化を遂げた点&改善された点を紹介したいと思います。
発電をする頻度
今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)と旧型モデルで大きく変わったのが、エンジンを駆動して発電をする頻度とタイミングです。
フルモデルチェンジをする前の旧型モデルでは、バッテリー切れが起こらないようにこまめに発電するようセッティングされていました。
■発電頻度が多い旧型モデル
そのため、エンジンの駆動回数が多くなり、e-POWERの魅力のひとつでもある静寂性の良さをあまり感じることができない乗り心地になっていました。
一方、今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ(SERENA)のe-POWERは、ある一定量までバッテリーが少なくなるまで極力充電をしないようにセッティングを変更。
■発電頻度を減らした新型モデル
そのおかげもあり、旧型モデルよりもエンジンが駆動する頻度が減り、電気自動車のような乗り心地&ドライビングフィールに一段と近づいていました。
路面状況に応じて発電を制御
また、今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)は、路面の状況を検知して発電をするかどうかを判断する機能も搭載。
この機能は、日産の人気コンパクトカーのノート(NOTE)や人気SUVのキックス(KICKS)などにも搭載されている機能なのですが、車輪の回転ムラから路面の荒れ具合やロードノイズの大きさを検知。
そして、ロードノイズが大きい時にエンジンを駆動して、相対的にエンジン音の大きさを目立たせなくしてくれます。
私も実際にこの新型モデルを試乗した際、いつエンジンが駆動するのか気にしながら運転をしたのですが、このローズノイズに紛らわせるエンジン制御のおかげで、発電中のエンジン音はまったく気になりませんでした。(※静寂性についてのコメントは、5分9秒あたり~)
今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)は、競合車・ライバル車の中でも特にエンジン音が気にならないので、小さな子供のいるご家族でも安心して運転をすることができるのかなと思いました。
先読み充放電制御を搭載
また、今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)に初搭載された制御のひとつが、“先読み充放電制御”です。
フルモデルチェンジをする前のセレナe-POWERもそうでしたが、一般的なハイブリッド車では、こまめに充電をするため、バッテリーの容量のほとんど空きのない状態で走行をしています。
そのため、長い下り坂を走行したとしても、すぐにバッテリーの容量が満杯になってしまい効率よく充電をおこなうことができません。
そこで、今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型モデルは、ナビの地図情報からどの地点でどれくらいの回生量を得られるか判断をする”先読み充放電制御”を新たに搭載搭載。
そのため、目的地の途中に長い下り坂があれば、その手前の上り坂でほぼすべてのバッテリーを使い切り、長い下り坂で目一杯充電する…。なんて効率的な運転をすることも可能です。
また、今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ(SERENA)は、自宅を目的地にセットすると、自宅周辺ではエンジンを稼働させずに走行できるように到着の少し手前でしっかりと充電をしておいてくれる機能も搭載。
なので、深夜に帰宅する際もご近所さんの迷惑を気にすることなく安心して運転をすることができますよ。
ちなみに、この”先読み充放電制御”を搭載することができるのは、メーカーオプションで用意されている純正ナビを装着しているモデルのみです。
■新型セレナの純正ナビ
ディーラーオプションナビや市販のナビでは、燃費効率の良い走行&発電をしてくれる先読み充放電制御を搭載することはできないのでご注意くださいね。
まとめ:電気自動車のような乗り心地に近づいた新型セレナe-POWER
2022年11月にフルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)に搭載されているエンジン&e-POWERシステムの制御を確認してみたところ、このような進化を遂げていました。
■新型セレナe-POWERのエンジン&制御システムのまとめ
・エンジンでの発電頻度を変更
・エンジン音をロードノイズに紛れ込ませる機能を搭載
・先読み充放電制御を搭載
今回デビューをはたした新型モデルのe-POWERは、日産車で初となるe-POWER専用のエンジンを搭載。
排気量も先代モデルよりも大きくなったこともあり、発電中のエンジン音も非常に静かです。
また、今回フルモデルチェンジをして新発売をした新型セレナ e-POWER(SERENA e-POWER)は、走行中、エンジン音が気にならないよう様々な工夫をほどこしてくれています。
そのおかげもあり、この新型モデルのe-POWERの静寂性&静かさは、競合車・ライバル車よりワンランク上です。
ドライブ中、2列目シートや3列目シートに座っているお子さんとの会話を楽しみたい方には、エンジン音が一切気にならないe-POWERは、ピッタリなクルマなのかなと思いました。