ホンダ初のダウンサイジングターボを搭載した事で話題になった新型ステップワゴン(STEPWGN)が、2017年9月に初のビッグマイナーチェンジを行いました。
このホンダの新型ミニバンと、競合車の一つである日産のセレナやトヨタのヴォクシーの大きな違いの一つが、3列目シートの収納方式です。
日産のセレナ(SERENA)やトヨタのヴォクシー(VOXY)では、3列目シートを荷室の左右の壁面に跳ね上げる方式を採用しているのに対し、新型ステップワゴン(STEPWGN)では、荷室の床下に収納するタイプを採用。
そのため、3列目シートを収納した時の荷室・ラゲッジスペースは、競合車・ライバル車よりも広々としているように感じました。
>>> 新型ステップワゴンの3列目シートを収納した時の様子は、コチラから
このように唯一床下に収納するタイプを採用しているホンダの新型ステップワゴン(STEPWGN)の3列目シートですが、座り心地や乗り心地で不満がありました。
マナーチェンジをして新発売された新型モデルの3列目シートは、どのようなデザインだったのでしょうか?また、実際に試乗して、この3列目シートで気になった事、不満は何だったのでしょうか?
今回ビッグマイナーチェンジをして新発売されたこの新型モデルの3列目シートの乗り心地や快適性を確認してきたので、紹介したいと思います。
目次
新型ステップワゴンの3列目シート画像インプレ
今回ビッグマイナーチェンジをして新発売されたホンダの新型ステップワゴン(STEPWGN)の3列目シートは、このようなデザインをしています。
■新型ステップワゴンの3列目シート
この3列目シートは、フロントシートや2列目シートと同様にブラックをベースにシルバーのアクセサリーラインを用いたスタイリッシュなデザインに…。
また、今回私が見たモデルは、ハイブリッド車の最上位”スパーダ ハイブリッドG EXグレード”だったのですが、この3列目シートでも、シートのサイド部分に合成皮革のような質感のプライムスムースを採用。
競合車・ライバル車よりも上質感のあるシートになっているように感じました。
ちなみに、”スパーダ ハイブリッドG EXグレード”限定のメーカーオプション設定になっている本革シートを注文すると、3列目シートも高級感のある本革仕様となります。
個人的には、このシートサイドにプライムスムースを施したデザインでも、十分にオシャレだと思いました。ただ、もしワンランク上の質感を求めるのなら、本革シートは、ピッタリだと思いますよ。
3列目シート周りの装備ば十分
また、今回ビッグマイナーチェンジをしたホンダの新型ステップワゴン(STEPWGN)の3列目シートの左右には、ドリンクホルダーとDC12ボルトのアクセサリーソケットが用意されています。
■左側のドリンクホルダー
■右側のドリンクホルダー
3列目シートまわりだけで合計5個のドリンクホルダーが…。
これだけ、ドリンクホルダーが用意されていたら、十分ですよね。
ただ、3列目シート横にもUSBソケットを用意している日産のセレナ(SERENA)と比較してしまったら、この3列目シートまわりの装備に若干の物足りなさを感じてしまいました。
新型ステップワゴンの3列目の乗り心地はイマイチ…
このようなデザインになっているホンダの新型ステップワゴン(STEPWGN)の3列目シートですが、座り心地は、どうなっているのでしょうか?
見た目から分かる通り、運転席や助手席のフロントシート、左右が独立したキャプテンシートを採用している2列目シートと比較してしまうと、乗り心地や座り心地はかなり劣ります。
この3列目シートの座り心地を一言で説明すると、”ちょっと固めのマットの上に座っている感じ…。また、座面も背もたれも凹凸感が無いフラットな作りなので、座った時に包み込まれるようなフィット感は、一切ありません。
そして、この新型モデルの3列目シートの乗り心地で気になったのは、下からの突き上げ感です。
この3列目シートは、クッション性が悪いため、下からの衝撃や突き上げを全く吸収してくれません。なので、マンホールなど大きな段差を乗り越えると、お尻に”ガツン”と言った感じの衝撃がダイレクトに伝わってきます。
それでも、乗車人数が増えた時の”補助シート”として考えれば、十分に満足できるレベルです。ただ、この固くてフィット感の無いシートに座っての長時間ドライブは、できたら避けたいなと感じる乗り心地でした。
シートサイズにも不満が…
また、この新型モデルの3列目シートに座って気になったのは、シートのサイズです。
このクルマの3列目シートは、床下に収納するデザインになっているためか、競合車・ライバル車の日産のセレナ(SERENA)やトヨタのヴォクシー(VOXY)よりも、背もたれ・座面ともにサイズが一回り小さい感じが…。そして、着座位置も低めです。
この小さめのシートサイズも、ホンダの新型ステップワゴン(STEPWGN)の座り心地の悪さに影響をしているのかなと、試乗をしていて感じました。
競合車のシートよりも良かった事も…
このように薄型のデザインになっている新型ステップワゴン(STEPWGN)の3列目シートですが、競合車・ライバル車よりも良いと感じた部分もありました。
それは、シートの分割位置です。
日産のセレナ(SERENA)やトヨタのヴォクシー(VOXY)など収納時にシートを左右に跳ね上げる方式を採用しているシートは、シートの境目が中央にある5対5分割方式になっています。
なので、日産 セレナ(SERENA)などの3列目シートの中央に座ると、ちょうどシートの境目部分に当たるので、座り心地が良くありません。
■日産セレナの3列目シート
しかし、床下に収納する方式を採用している新型ステップワゴン(STEPWGN)は、6対4分割方式の3列目シートを採用。
■新型ステップワゴンの3列目シート
シートの境目が中央からズレているので、3列目シートの中央に座っても、不快感は全くありません。
この3列目シートの中央の座り心地の良さや快適性は、競合車・ライバル車には無い、この新型モデルの魅力&メリットの一つだなと、思いました。
また、今回ビッグマイナーチェンジをして新発売されたホンダの新型ステップワゴン(STEPWGN)の3列目シートは、5段階のリクライニング機能を採用しています。
■新型ステップワゴンの3列目シートをリクライニングした時の様子
この大きなリクライニング幅も、この新型モデルの3列目シートの魅力&メリットの一つなのかなと、思いました。
今回ビッグマイナーチェンジをして新発売されたホンダの新型ステップワゴン(STEPWGN)の3列目シートのデザインや座り心地は、このようになっていました。
シートのデザインはスタイリッシュで良いと思ったのですが、座り心地やフロントシートや左右独立したキャプテンシートを採用している2列目シートに劣ります。
また、シートサイズも小さく、足元空間(ニークリアランス)もそれ程広くないので、大人が座るには、この3列目シートは、ちょっと手狭な感じがしました。
(もちろん我慢をすれば、座れなくもないですが…)
個人的には、新型ステップワゴン(STEPWGN)の3列目シートは、常時使用するのではなく、乗車人数が増えた時の”補助シート”くらいで考えておいた方が良いのかなと、思いました。