電気自動車の最大のネック&欠点の一つは、1回の満充電で走ることができる航続距離の短さです。
ただ、2022年5月にデビュー果たしたスバルの新型ソルテラ(SOLTERRA)は、航続可能距離が長くなるよう様々な工夫をほどこしたおかげで、トヨタのbZ4Xや日産のアリア(ARIYA)などの競合車・ライバル車よりも航続距離が長くなっています。
今回デビューを果たした新型モデルの航続距離は競合車・ライバル車と比べて、どれくらい長くなっているのでしょうか?また、航続距離が長くなるため、この新型モデルでは、どのような工夫をほどこしたのでしょうか?
スバルからデビューを果たした新型ソルテラ(SOLTERRA)の航続距離の長さ、走行距離が長くなるためにほどこした工夫を紹介したいと思います。
目次
新型ソルテラの航続距離【競合車とどれくらい違う?】
2022年5月にデビューを果たしたスバルの新型ソルテラ(SOLTERRA)の航続距離は、次のようになっています。
■新型ソルテラの航続距離(一充電走行距離)
新型ソルテラの航続距離は最大で567km
今回デビューを果たした新型ソルテラ(SOLTERRA)は、ET-SSグレードのFWD仕様とAWD仕様、ET-HSグレードと3つのグレードを用意しており、グレードによって、1回の満充電で走ることができる航続距離の長さは異なります。
航続距離が一番長いのは、最廉価モデルに位置をするET-SSグレードのFWD仕様で、一回の充電で走行できる距離は567㎞。
一方、航続距離が一番身近いのは、他のグレードよりも車体重量が重たい新型ソルテラ(SOLTERRA)の最上位モデルのET-HSグレードで487㎞。ET-SSグレードのFWD仕様と比べると、約80kmほど走行距離が短くなっていました。
ちなみに、80kmと言うと、東京から神奈川県の小田原市くらいまでの距離とほぼ同じです。
このように考えると、ET-SSのFWD仕様とET-HSグレードの航続距離の差は大きいですよね。
Xモードの用意がないなど欠点&デメリットもある新型ソルテラ(SOLTERRA)のET-SSグレードのFWD仕様ですが、航続距離の長さは、他のグレードにはないET-SSグレードの魅力の一つなのかなと思いました。
ちなみに、今回デビューを果たした新型モデルは、ET-SSグレードの売れ行きもなかなか良いみたいですよ。
競合車よりも航続可能距離が長い
また、2022年5月にデビューを果たしたスバルの新型ソルテラ(SOLTERRA)と、競合車・ライバル車でもある日産のアリア&トヨタのbZ4Xの航続距離を比較すると、次のようになっていました。
■新型ソルテラと競合車の航続距離比較
今回デビューを果たした新型ソルテラ(SOLTERRA)の最上位モデル”ET-HSグレード”の航続距離は、日産のクロスオーバーEV車”アリア(ARIYA)”よりも17kmほど長くなっています。
■日産のクロスオーバーSUVのアリア
4輪駆動のAWD車で2輪駆動のアリア(ARIYA)のB6グレードよりも航続距離が長いのって、凄いですよね。
また、新型ソルテラ(SOLTERRA)の”ET-HSグレード”と20インチのタイヤ&ホイールを履いたbZ4Xの航続距離は、まったく同じになっています。
ただ、ET-SSグレードのFWD仕様と18インチのタイヤを履いたbZ4Xの2WD車を比べると、新型ソルテラ(SOLTERRA)の方が8kmほどですが、航続距離が長くなっています。
■兄弟車のトヨタのbZ4X
この2台のモデルは共同開発をした兄弟車なのに、トヨタのbZ4Xよりも航続距離が長いのって、かなり凄いですよね。
1回の充電で走ることができる航続距離の長さは、競合車・ライバル車よりも勝る新型ソルテラ(SOLTERRA)の魅力&メリットの一つなのかなと思いました。
航続距離の向上のために行った新型ソルテラの施策とは?
2022年5月にデビューを果たしたスバルの新型ソルテラ(SOLTERRA)は、日産のアリアなど競合車・ライバル車よりも航続距離が長くなっていましたが、この新型モデルは、航続距離が長くなるよう様々な工夫がほどこされているんですよね。
この新型モデルには、どのような工夫が施されているのか?実際にこの新型モデルを見て気づいたこと、ディーラーさんに教えてもらったことを紹介したいと思います。
徹底した軽量化
2022年5月にデビューを果たしたスバルの新型ソルテラ(SOLTERRA)の航続距離が競合車よりも長い理由の一つが、徹底した軽量化です。
■新型ソルテラと競合車の車体重量比較
新型ソルテラ(SOLTERRA)の最廉価モデルのET-SSグレードのFWD仕様の車体重量は1,910kgとなっており、日産のアリア(ARIYA)よりも10kgほど軽くなっています。
また、兄弟車種のbZ4Xと比べても、 この新型モデルのET-SSグレードの方が10kgほど軽くなっています。
新型ソルテラ(SOLTERRA)とbZ4Xは兄弟車なのに、なぜ新型ソルテラ(SOLTERRA)の方が車体重量が軽いのか気になって、ディーラーさんに質問をしてみたんですよね。
すると、この新型モデルとbZ4Xでは、細かい部分での装備や仕様などに違いがあり、スバルは、燃費&航続距離の向上のため、徹底的に無駄を省いたようなんですよね。そのため、兄弟車でも車体重量に差があるとのこと…。
電気自動車は航続距離に限りがあるので、「車体が軽いのは、正義」です。
兄弟車よりも車体重量の軽さは、航続可能距離の長さを支えている大きな要因の一つですよ。
整流効果が高い装備&アイテムを採用
また、整流効果を考慮した外装・エクステリア デザインを採用しているのも、航続距離が競合車よりも優れている理由の一つです。
高い空力性能を発揮する装備&アイテムの一つが、フロントバンパーです。
この新型モデルのフロントバンパーは両サイドのコーナー部分には、フロントマスクにあたる風を後方に効果的に受け流すエアカーテン(ダクト)を備えています。
■新型ソルテラのエアカーテン
また、ちょっと珍しい左右分割のルーフスポイラーも、車体後部の空気の乱れを抑えるのに貢献しています。
■整流効果が高い左右分割のルーフスポイラー
このように空気の流れを整える効果が高い装備&アイテムを備えているのも、新型ソルテラ(SOLTERRA)の魅力の一つなのかなと思いました。
EVシステム&バッテリーの効率の良さ
また、EVシステム&バッテリーシステムの効率の良さも、新型ソルテラ(SOLTERRA)の航続距離が長い理由の一つです。
今回デビューを果たしたこの新型モデルの最上位モデル”ET-HSグレード”の車体重量は2030kgとなっており、日産のクロスオーバーEV車のアリア(ARIYA)よりも100kg以上も重たいんですよね。
それにも関わらず、燃費(=1km走行するのに必要な電力消費量)は、新型ソルテラ(SOLTERRA)のET-HSグレードの方が良いんですよね。
■新型ソルテラと競合車の燃費比較
優れた燃費性能(電費性能)も、今回デビューを果たした新型モデルの魅力の一つなのかなと思いました。
まとめ:競合車よりも航続距離が長い新型ソルテラ
2022年5月にデビューを果たしたスバルの新型ソルテラ(SOLTERRA)と、競合車・ライバル車の航続距離の長さを確認してみたところ、このようになっていました。
■新型ソルテラの航続距離のまとめ
・競合車よりも航続距離は長い
・徹底的な軽量化などで航続距離の延長を図る
今回デビューを果たした新型モデルは徹底的な軽量化などを図ったおかげで、航続可能距離は、競合車・ライバル車よりも長い567km~487kmを達成。
ベースが同じbZ4Xよりも航続可能距離が長いのって、かなり凄いですよね。
航続距離の短さに関しては、まだまだ改良の余地はありますが、少しでも航続可能距離を長くしようと工夫をするスバルの姿勢は、賞賛に値すると思いました。