2020年8月にデビューを果たしたトヨタの新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)の驚いた機能&装備の一つが、エアコン/ヒーターです。
この新型モデルでは、後部座席までしっかりとエアコン/ヒーターの風が届くように面白い工夫が…。
そんな新型モデルのエアコン/ヒーターは、どのような工夫が施されていたのでしょうか?また、後部座席でもエアコン/ヒーターの風を感じて、快適に過ごせるようになっていたのでしょうか?
トヨタからデビューを果たしたコンパクトSUV”新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)”に用意されているエアコン/ヒーターの使い勝手や快適性を試乗した際に確認することができたので、紹介したいと思います。
目次
新型ヤリスクロスのエアコンのデザインをチェック
トヨタからデビューをは果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)のエアコン/ヒーターのコントロールパネルは、次のような特徴がありました。
グレードによってエアコンの使い勝手が異なる
この新型モデルに用意されているエアコン/ヒーターのコントロールパネルは、グレードによって機能性&使い勝手が異なります。
中間モデルの”G系グレード”、最上位モデルに位置をする”Z系グレード”では、フルオートエアコンを標準装備。
■Gグレード/Zグレードのエアコン
サイズはちょっと小さいのですが、温度や風量の調節はダイヤルでできるようになっており、運転中でも簡単に操作できるようになっていたのは、好印象でした。
一方、こちらは、新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)の最廉価モデルに位置をする”X系グレード”のエアコン/ヒーターです。
■Xグレードのエアコン
最廉価モデルに位置をする”X系グレード”では、上位モデルとはことなり、3つのダイヤルを備えたマニュアルエアコンを標準装備。
上位モデルと比較して、色々な機能&装備で見劣りをする”X系グレード”ですが、エアコン/ヒーターの使い勝手の悪さ&機能性も気になるところでした。
車内の空気を綺麗にしてくれるナノイーの用意はなし
トヨタからデビューを果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)は、ガソリン車/ハイブリッド車どちらもエアコンの効きをマイルドにして、燃費を優先するモード”エコヒート&クール(ECO HEAT/COOL)”を用意しています。
ただ、カローラにオプションで用意されていた除菌や脱臭に効果があると言われているナノイー機能の用意はなし。
■ナノイーが付いている新型カローラツーリングのエアコン
このようなご時世なので、車内の空気を綺麗にしてくれる”ナノイー機能”がこの新型モデルに用意されていないのは、少々残念でした。
運転席と助手席で別々に温度調節することもできない
最近は、運転席と助手席で別々に温度を設定することができる”左右独立式の温度調節機能”を備えているクルマも多くなってきましたが、今回デビューを果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)では、このような機能の用意もなし。
ちなみに、競合車・ライバル車の一つでもあるマツダのCX-30のエアコンでは、左右独立式の温度調節機能を備えているんですよね。
この左右独立式の温度調節機能が用意されていないことも、この新型モデルのエアコン/ヒーターの残念なところの一つでした。
新型ヤリスクロスのエアコン/ヒーターはココが凄い【使用感インプレ】
このようなデザインになっていたトヨタの新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)のエアコン/ヒーターですが、実際に使用してみると、予想以上の使いやすさがありました。
この新型モデルのエアコン/ヒーターのドコが良かったのでしょうか?
このクルマのエアコン/ヒーターを実際に使ってみて、良い意味で驚いたことを包み隠さずお話したいと思います。
停車時のパワフルさ【新型ヤリスクロスのエアコンの魅力1】
今回デビューを果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)のエアコン/ヒーターを実際に使用して驚いたことの一つが、停車時(アイドリング時)のパワフルさ&快適さです。
ガソリン車の場合、信号待ちなどでアイドリングストップ(アイスト)をすると、エアコンが弱くなり、真夏の暑い日の快適性が損なわれるのが欠点&デメリットでした。
しかし、今回デビューを果たしたこの新型モデルのガソリン車は、アイドリングストップ(アイスト)が備わっていないこともあり、信号待ちをしている時もエアコン/ヒーターが弱くなることがないため、かなり快適な状態に…。
最初、この新型モデルにアイドリングストップ(アイスト)が備わっていないことに多少ビックリしたのですが、信号待ちをしている時などでもしっかりとエアコン/ヒーターを作動させてくれるのは、新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)の魅力なのかなと思いました。
また、ハイブリッド車も、電動コンプレッサーが標準装備されており、エンジンが停車時でもエアコン/ヒーターが弱まることがないのも好印象でした。
後部座席まわりも快適【新型ヤリスクロスのエアコンの魅力2】
また、今回デビューを果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)のエアコン/ヒーターを確認してみて驚いたことの一つが、後部座席の快適性です。
この新型モデルでは、競合車・ライバル車と同様に後部座席にエアコン/ヒーターの送風口の用意はありませんでした。
後部座席の送風口はセンターコンソールの後方に装着されているケースが多いのですが、この新型モデルのセンターコンソールの後方は、このようにシンプルなデザインになっています。
■新型ヤリスクロスのセンターコンソールの後方
ただ、実際にこの新型モデルを試乗してみると、ダッシュボードに備わっている送風口からエアコンの冷たい風が流れてくるのを感じます。(特に中央部分から…)
最初は、今回デビューを果たしたこの新型モデルは、コンパクトSUVの中でもボディサイズが小さいため、後部座席まわりでもエアコン/ヒーターの効きが良いのかなと思っていました。
しかし、ディーラーさんの話によると、この新型モデルのエアコン/ヒーターの効きが良いのは、ボディサイズだけではなく、ダッシュボードのデザインもかなり影響をしているようです。
私はいつもお世話になっているディーラーさんに教えて貰ったのですが、今回デビューを果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)は、ダッシュボードに備わっているエアコン/ヒーターの送風口が少し奥まった位置に設定されていますよね。
■新型ヤリスクロスのエアコン/ヒーターの送風口
私も最初、この新型モデルのダッシュボード(インパネ)を見た際、このデザインを少し不思議に思っていたいました。
しかし、ディスプレイ下部の壁をつたって、真っ直ぐにエアコン/ヒーターの風が流れるよう意図的に送風口の位置を少し後方に下げているとのこと。
この送風口のデザインにより、エアコン/ヒーターの空気が車内全体に広がることなく、後部座席まで一直線に届くため、後部座席まわりも効率的に冷やしたり温めたりできるようですよ。
エアコン/ヒーターの空気の流れまで考えて、ダッシュボード(インパネ)のデザインを考えているのは、ちょっと驚きですよね。
今回デビューを果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)は、後部座席に送風口が用意されていないのは、少々残念でしたが、考えつくされたこの新型モデルのダッシュボード(インパネ)には、かなり驚かされました。
また、真夏の暑い日に後部座席に座っても、しっかりとエアコンの風を感じて快適に過ごすことができるのは、この新型モデルの良いところの一つなのかなと思いました。
ちなみに、ディーラーオプションで用意されている”トノカバー”を使用すると、さらに後部座席まわりのエアコン/ヒーターの効きが良くなるようですよ。
オプション代も1万1000円とそれほど高くありませんし、購入する価値はあるかもしれませんね。
まとめ:シンプルだけど使い勝手の良い新型ヤリスクロスのエアコン/ヒーター
2020年8月にデビューを果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)に標準装備されているエアコン/ヒーターは、このようなデザイン&使い勝手になっていました。
■新型ヤリスクロスのエアコンの特徴のまとめ
・左右独立式の温度調節機能の用意はなし
・後部座席まわりに送風口の良いもなし
・後部座席に座っても、エアコン/ヒーターの効きを実感できる
この新型モデルは、後部座席まわりにエアコン/ヒーターの送風口の用意がないのは、少々残念でした。
ただ、この新型モデルは、競合車・ライバル車よりもボディサイズが小さいこともあり、また、エアコン/ヒーターの風が後部座席まわりまでしっかり届くように工夫が施されています。
そのおかげで、今回デビューを果たした新型ヤリスクロス(YARIS CROSS)の後部座席は、コンパクトSUVの中でトップクラスの快適性を備えているように感じました。